【8・12連絡会の31年間の活動】

 8・12連絡会は、31年間、失われたいのちを生かしたいと、事故の再発防止や事故調査機関の強化を求める活動をしてきました。刑事告訴、検察審査会へ不起訴不当の申し立て、再度の不起訴処分決定の理由について前橋地検で説明会を開くことが出来ました。また、事故の風化を防ぐために灯篭流しなどの慰霊行事を地元群馬県の皆さんと毎年企画し、会社には、残存機体の保存を求めました。事故後26年目には運輸安全委員会に働きかけ、「事故調査報告書の解説書」に取り組みました。
illustration 遺族たちの願いが叶い、事故後21年目に「日航安全啓発センター」開設されました。現在、安全文化を高める施設として大きな役割を持っています。そして、日本にも2012年、国に被害者を支援する「公共交通被害者支援室」が出来ました。これは、多くの事故被害者団体が連携してきたからこそ実現したことです。アメリカではすでに、1996年にできた航空災害家族支援法に基づき、支援組織や支援計画が作られていました。
 日本でも被害者を支援する組織が欲しいと、多くの被害者団体が長年要望してきました。2009年、「公共交通における事故による被害者等への支援のあり方検討会」が国土交通省に設置されました。8・12連絡会からも、委員として被害者の立場で様々な発言をしました。この検討会で、ニーズ調査が行われ、JAL御巣鷹山事故、信楽高原鉄道事故、中華航空機事故、JR西福知山線脱線事故の被害者たちの生の声が、被害者支援室開設の土台になりました。この組織は、事故に遭った被害者の総合窓口で、国の支援員が全国に配置されています。被害者への事故直後の情報提供や、中長期にわたる支援をコーディネイトする役目を持ちます。

 事故から31年、沢山の人達に支えていただきました。御巣鷹山は目に見えない大切なものを伝えています。被害者支援という認識のない時代に、31年間遺族たちは「会報」や「文集」を発行し、情報を共有し、遺族同士が支え合いながら歩いてきました。今後も求めたいのは、事故を未然に防ぐための安全対策への投資を優先することです。でも、事故は起きます。事故の抑止力となる法の整備が、被害者側から見て公正なものにすることが必要だと思います。今後も、事故の記憶を伝えながら、ほかの事故遺族との連携を図り、被害者支援をさらに進め、事故調査機関の強化など残された課題に取り組んでいきたいと思います。よろしくお願いいたします。

2016.10.15

8・12連絡会事務局

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