旅路   茜雲 総集編

■編者:8・12連絡会
■356ページ
■価格:1714円(税別)最寄りの書店に相談
■発行所:
 株式会社本の泉社
 〒113-0033 東京都文京区本郷2-25-6
 TEL 03-5800-8494
※この本の印税は、慰霊の園に寄付されます。

 昭和60年8月12日午後6時56分、32分間のダッチロールを終え、機体は、御巣鷹の尾根で黒煙をあげコナゴナに散っていった——。
 「520の人々は、この時、真っ赤に染まる夕焼けをみただろう……」》
 夕焼け空をみる度に涙が止まらなかったという母の慟哭が、一周忌に発刊された文集を『茜雲』と名づけた。この『茜雲』第1集の表紙の色は、夕焼け色の真っ赤となった。
 最初の文集によせた遺族は34人。自分の気持ちを正直に綴っている。肉親の名前を書くことすら辛く苦しいなかでも、あの事故の意味を問い続けたい。そのためには、自分たちの言葉で事故を語り始めよう。二度とあのような悲惨な事故を起こさせないために、人々の記憶から忘れ去られないために、何かを残しておかなければならない。遺族たちは、そう思い、書くことによって新しい一歩を踏み出したいと願った。
 原稿用紙に書きつけた文字が、何度も涙で濡れるつらい作業だった。が、私達にペンを持たせ、力をふりしぼらせ書かせたのか。
 発刊後、事務局には、『茜雲』を求める手紙が殺到し、電話が鳴りつづけた。幹事たちは手分けをして発送作業に追われた。自費出版なので、印刷は9千部で打ちきった。そして、新たに第2集の作成に入った。
 1987年3月、『茜雲』第1集と2集を合わせ、85人の手記を『おすたかれくいえむ』という本にまとめて毎日新聞社から出版した。
その後も、『茜雲』第3〜6集をまとめて、『再びのおすたかれくいえむ』(1991年7月、毎日新聞社)として発刊した。
 2005年、事故から20年が経ったときには、手記を寄せてくれた遺族は、延べ550人に達していた。その年によって寄せられる原稿の数が違う。多いときには46人。少ないときには13人のこともあった。文字にするのが苦手な人は、読むことで気持ちを共有した。
 そして、この20年目の年に『茜雲総集編』(本の泉社)を発刊した。
 25年目の2010年、茜雲は24集となる。高齢化する第一世代の遺族たちが、事故の記憶を次世代に伝えたい、亡き愛する人への変わることのない思いをつづり、更に、今年は第2世代からの投稿もある。事故を語り継ぐために、遺族一人ひとり違う心の軌跡とその家族のもの語りが紡がれている。


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